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遺品整理業者とのトラブル事例と防ぎ方 — 国民生活センターの公表資料から

この記事は一次情報(官公庁・関連団体の公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • 国民生活センターには、遺品整理サービスに関する「高額な追加請求」「高額なキャンセル料」「遺品の誤処分」などの相談が寄せられています
  • 相談件数は2013年度から2017年度の間、年73件から114件の範囲で継続的に報告されています(出典あり)
  • トラブルの多くは、契約内容の確認不足や、見積もり内容のあいまいさが背景にあります
  • 書面での見積もり確認、追加料金・キャンセル料の事前確認、許可の確認が、基本的な予防策になります
  • 報告されているのは一部の事例であり、遺品整理業を営む事業者の多くは適正に許可を得て営業しています

遺品整理業者との間で実際に起きているトラブル

遺品整理サービスは、核家族化や高齢者の一人暮らし世帯の増加を背景に、利用する方が増えているサービスです。多くの業者は適正に営業していますが、全国の消費生活センター等には、料金や作業内容に関するトラブルの相談が寄せられているのも事実です。あらかじめどのようなトラブルが起きているかを知っておくことは、業者を疑うためではなく、安心して依頼するための備えになります。

どのような場面でトラブルが起きやすいか

トラブルに至る経緯を見ていくと、いくつか共通する状況があります。

  • 契約を急いでいる場合: 相続税の申告や賃貸物件の退去期限が迫っているなど、時間的な余裕がないと、内容を十分に確認しないまま契約してしまいやすくなります。
  • 現地を見ないまま見積もりを確定させる場合: 電話や写真だけで金額を決めてしまうと、実際の作業で「荷物が想定より多い」という理由による追加請求につながりやすくなります。
  • 1社だけで即決してしまう場合: 比較対象がないと、提示された金額や条件が妥当かどうかを判断しにくくなります。

これらの状況に心当たりがある場合は、契約を急がず、一呼吸置いて確認する時間を取ることをおすすめします。

国民生活センターが公表している相談事例

独立行政法人国民生活センターは2018年7月19日、遺品整理サービスに関する契約トラブルについて、事例と注意喚起をまとめた資料を公表しました。同資料によれば、全国の消費生活センター等に寄せられた「遺品整理サービス」に関する相談件数は、2013年度から2017年度の5年間、年73件から114件の範囲で推移しています(出典: 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」)。

同資料で紹介されている相談事例には、次のようなものがあります。

  • 見積もりの際にせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい
  • 解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された
  • 作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された
  • 処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された

これらの事例から見えてくる問題点として、同資料では次の4点が挙げられています。

  • 契約内容について十分な検討をしないまま契約し、トラブルになることがある
  • 高額なキャンセル料を請求されることがある
  • 作業当日、追加料金を請求されてトラブルになることがある
  • 残しておくはずの大切な遺品を誤って処分されるなど、サービス内容によってトラブルになることがある

なお、同資料は消費者庁、経済産業省、環境省、警察庁など関連省庁にも情報提供されています。遺品整理サービスをめぐるトラブルが、一部の事業者だけの問題にとどまらず、複数の省庁が注視するテーマになっていることがうかがえます。

トラブルを防ぐために呼びかけられていること

同資料では、消費者へのアドバイスとして、次の点が挙げられています。

  • 複数社から見積もりを取るなど、事業者の選定は慎重に行う
  • 作業内容や費用を明確に出してもらうなど、見積書の内容を十分に確認する
  • 料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に確認する
  • 残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておく
  • 事業者とトラブルになった場合には消費生活センターに相談する

これらは、業者を選ぶ段階から作業完了まで、一貫して意識しておきたいポイントです。順に、もう少し具体的に見ていきます。

契約前に確認しておきたいこと

見積もりを受ける段階では、料金の内訳(作業費・処分費・車両費など)が明示されているか、追加費用が発生する条件、キャンセル・日程変更の条件を確認しておきましょう。口頭でのやり取りだけで契約を進めてしまうと、後になって内容の行き違いが起きやすくなります。契約書や見積書など、内容が記載された書面を受け取っておくことが基本的な対策です。業者選びの詳しいチェックポイントは「遺品整理業者の選び方」で解説しています。

作業当日に注意したいこと

作業当日は、処分してよいものとそうでないものの認識が、依頼者と業者の間でずれないようにすることが重要です。貴重品(通帳、印鑑、権利証など)や、残しておきたい遺品は、作業が始まる前に自分たちで確保し、業者の作業範囲から外しておくと、誤って処分されるリスクを減らせます。荷物量が見積もり時と大きく異なる場合に追加料金が発生する条件についても、事前に確認しておくと当日の行き違いを防ぎやすくなります。遠方に住んでいて作業当日に立ち会えない場合は、事前に写真や動画で荷物の状況を共有し、貴重品の保管場所を業者に伝えておく、作業後に写真で報告してもらうといった工夫も、行き違いを防ぐ助けになります。費用の内訳や見積もり比較の考え方は「実家じまいの費用の考え方」もあわせてご覧ください。

多くの業者は適正に営業している

ここまで紹介したトラブル事例は、あくまで報告された一部の事例であり、遺品整理業を営む事業者の多くは、一般廃棄物収集運搬業許可などの必要な許可を得て、適正に営業しています。トラブル事例を知る目的は、業界全体を警戒することではなく、契約前に確認すべきポイントを把握し、安心して依頼できる業者を見極めることにあります。許可の確認方法や見積もり時に聞いておきたい質問の例は「遺品整理業者の選び方」で詳しく解説しています。

トラブルに遭ったとき、また不安なときの相談先

契約や作業内容についてトラブルになった場合は、消費者ホットライン(188)や、お住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。契約前の段階で「この条件は妥当なのか」と不安に感じることがあれば、契約を急がず、事前に相談してみることも一つの方法です。

まとめ

遺品整理業者とのトラブルの多くは、契約前の確認不足や、見積もり内容のあいまいさが背景にあります。複数社から見積もりを取り、書面で内容を確認し、必要な許可を持っているかを確認するという基本を押さえておけば、多くのトラブルは未然に防ぎやすくなります。地域で信頼できる相談先を探したい場合は、地域から相談先を探すページもあわせてご覧ください。

よくある質問

遺品整理業者とのトラブルにはどのようなものがありますか?

国民生活センターには、見積もり後に高額な追加料金を請求された、解約時に高額なキャンセル料を請求された、残しておくよう頼んだ遺品を誤って処分された、といった相談が寄せられています。

高額な追加料金を請求されないためには、どうすればいいですか?

契約前に、作業費・処分費・車両費などの内訳を明示した見積書を受け取り、追加料金が発生する条件を事前に確認しておくことが有効です。口頭でのやり取りだけで契約を進めないことも大切です。

解約するとキャンセル料がかかりますか?

業者によってキャンセル料の条件は異なります。契約前に、キャンセル・日程変更の条件を確認し、書面に記載してもらっておくと、後のトラブルを避けやすくなります。

遺品を誤って処分されないようにするには?

残しておきたい遺品と処分してよい遺品を、作業開始前に明確に分けておくことが基本的な対策です。貴重品や思い出の品は、業者の作業範囲に入れず、事前に自分たちで確保しておく方法もあります。

トラブルに遭った場合、どこに相談すればいいですか?

消費者ホットライン(188)、またはお住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。契約前の段階で不安がある場合も、事前に相談することができます。

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