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実家じまいコラム

遺品整理と不用品回収は何が違う?引き受ける範囲・料金体系・依頼先の選び方

この記事は、官公庁・関連団体の公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、実家じまい案内所編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。

この記事のポイント

  • 遺品整理は「何を残すかを決めるところ」から引き受けるサービス、不用品回収は「不要と決まったものを運び出す」サービスで、引き受ける範囲が異なります
  • 料金体系も、遺品整理は間取り単位、不用品回収はトラックの積載量単位が中心です
  • 当サイト集計では、遺品整理は1R・1Kで15,000円〜88,000円(n=27社・2026年7月時点)、不用品回収は軽トラックの積み放題プランで11,000円〜66,000円(n=10社・2026年8月時点)が目安です
  • 環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと注意喚起しています
  • 不用品回収サービスに関する全国の消費生活センター等への相談は、2018年度1,354件から2021年度2,231件へ増加しています(国民生活センター)
積み重ねられた段ボール箱(イメージ)

※画像はイメージです(写真素材: Pexels)

実家の片付けを業者に頼もうと調べ始めると、「遺品整理」と「不用品回収」という2つの言葉が並んで出てきます。どちらも家財を運び出してくれる点では同じに見えますが、引き受ける範囲も料金の決まり方も違うサービスです。ここを取り違えると、見積もりの比較そのものが噛み合わなくなります。

違いは「何を引き受けるか」

遺品整理と不用品回収の違い。遺品整理は遺品の捜索・仕分け・供養・搬出・清掃までを含み間取り単位の料金、不用品回収は不要と決まったものの回収・運搬・処分でトラックの積載量単位の料金

遺品整理は、故人の持ち物を「何を残し、何を手放すか」を決めるところから引き受けるサービスです。通帳・権利証・保険証券などの捜索、形見分けする品の仕分け、仏壇や人形の供養の手配、搬出後の簡易清掃まで含むのが一般的です。作業量が部屋の広さと荷物量に比例するため、料金は間取り単位で示されることが多くなります。

不用品回収は、家具・家電など「不要と決まったもの」を回収・運搬・処分することに特化したサービスです。仕分けは依頼者側が済ませている前提なので、料金はトラックの積載量(軽トラック・2tトラックなど)のプラン単位で示されるのが一般的です。

つまり、判断の作業を誰が担うかが最大の違いです。すでに家族で仕分けを終えていて、残っているのは運び出しだけ——という段階であれば不用品回収で足ります。一方、まだ何が家にあるかも把握できていない段階で不用品回収を呼ぶと、その場で仕分けを迫られたり、追加作業として別料金になったりします。

料金の目安 — 比べる軸がそもそも違う

当サイトでは、掲載事業者が公式サイトで公開している料金を集計して目安を掲載しています(集計方法と社数は各ページに明記しています)。

  • 遺品整理(間取り単位): 1R・1Kで15,000円〜88,000円(n=27社)、4LDK以上で100,000円〜495,000円(n=20社)。2026年7月時点の集計です
  • 不用品回収(トラック単位): 軽トラックの積み放題プランで11,000円〜66,000円(n=10社)、2tトラックで27,280円〜66,000円(n=8社)。2026年8月時点の集計です

同じ「片付け」でも、比較の軸が間取りとトラックで異なるため、金額だけを並べても意味がありません。同じ作業範囲で見積もりを取り直すことが、比較の前提になります。間取り別の詳しい目安と料金の内訳は「遺品整理の費用はどう決まる?」、サービス別の相場の一覧は「費用相場」でご確認いただけます。

なお、掲載事業者により税込表記・税別表記が混在します。実際の金額は荷物量・作業員数・搬出経路・地域によって変動します。

どちらに頼む場合も共通する「許可」の話

引き受ける範囲が違っても、共通して確認すべきものがあります。家庭から出た廃棄物の収集運搬に必要な許可です。

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要であり、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できないと明示しています。産業廃棄物処理業許可は工場や企業の廃棄物を処理するための許可、古物商の許可は中古品等の売買を行うための許可であるためです(出典: 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。

同ページでは、無許可の回収業者を利用した場合に報告されている問題として、回収後に不法投棄された事例、フロンガスや鉛などの有害物質が環境中に放出される事例、不適正な管理による火災、高額な処理料金を請求された事例が挙げられています。

買取もあわせて依頼したい場合は、これに加えて古物商許可が必要です。それぞれの許可の位置づけと確認方法は「遺品整理業者の許可・資格まとめ」で解説しています。

相談は増えている — チラシや巡回のトラックに注意

独立行政法人国民生活センターは2022年11月2日、「不用品回収サービスのトラブル — 市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意! —」を公表しました。同資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた不用品回収サービスに関する相談は、次のように推移しています。

不用品回収サービスに関する相談件数の推移。2018年度1,354件、2019年度1,457件、2020年度1,788件、2021年度2,231件

(出典: 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」、2022年11月2日公表。PIO-NETに登録された相談件数)

同資料では、インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が、必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らない点に注意が呼びかけられています。相談事例としては、広告で見た料金と実際の請求が異なる、トラックへの積み込み方をめぐって認識が食い違う、といった内容が挙げられています。

安く見える入口ほど、後から範囲と金額の食い違いが起きやすい領域です。金額の根拠(何をどこまで含むか)を書面やメールなど記録に残る形で確認しておくことが、いちばん確実な自衛策になります。

依頼先を決めるときの順番

  1. 家の状態を確認する — まだ仕分けが済んでいないなら遺品整理、済んでいるなら不用品回収が候補になります
  2. 許可を確認する — 一般廃棄物収集運搬業の許可(または委託)の有無。買取も頼むなら古物商許可も
  3. 同じ範囲で複数社の見積もりを取る — 仕分けの有無、階段作業の有無、清掃の有無を揃えて比較します
  4. 追加料金の条件を確認する — 当日に量が増えた場合、駐車場所が確保できない場合などの扱いを事前に確認します

自分の状況にどのサービスが当てはまるか整理したい場合は「かんたん診断」で状況と間取りを選ぶと、目安の費用と行き先を確認できます。地域の相談先は「地域から相談先を探す」からご覧ください。

まとめ

遺品整理と不用品回収は、「判断まで引き受けるか」「運び出しだけか」という範囲の違いがあり、料金体系も間取り単位とトラック単位で異なります。金額の比較は同じ作業範囲に揃えてから行ってください。そして、どちらに頼む場合でも、家庭から出た廃棄物の収集運搬には市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(または委託)が必要です。相談件数が増えている領域でもあるため、許可の確認と、範囲・追加料金を記録に残す形での確認を欠かさないことをおすすめします。

よくある質問

遺品整理と不用品回収、どちらに頼めばいいですか?

何を残して何を手放すかがまだ決まっていない、貴重品や書類を探しながら進めたい、という段階なら遺品整理が向いています。すでに家族で仕分けが済み、残っているのは運び出すだけという段階なら不用品回収でも対応できます。判断に迷う場合は、両方に対応している事業者に現地で見積もりを取り、範囲を明確にして比較する方法があります。

不用品回収のほうが安いのですか?

作業範囲が違うため、単純な安い・高いの比較はできません。不用品回収はトラックの積載量単位の料金が中心で、仕分けは依頼者側が行う前提です。仕分けまで頼むと追加作業になり、結果的に遺品整理の見積もりと変わらないこともあります。当サイトが集計した目安は、遺品整理が1R・1Kで15,000円〜88,000円(n=27社)、不用品回収が軽トラックの積み放題プランで11,000円〜66,000円(n=10社)です。

どんな許可を持っている業者に頼めばいいですか?

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要であり、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できないと説明しています。買取もあわせて依頼する場合は古物商許可も必要になります。確認の仕方は「遺品整理業者の許可・資格まとめ」で解説しています。

「無料回収」と書かれたチラシや巡回のトラックに頼んでも大丈夫ですか?

環境省は、無許可の回収業者を利用しないよう注意喚起しており、回収後に不法投棄された事例、有害物質が適正に処理されない事例、高額な処理料金を請求された事例を挙げています。国民生活センターも、広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないとして注意を呼びかけています。

自治体の粗大ごみ収集との使い分けは?

自治体の収集は日程や品目にルールがある一方、費用は抑えやすい傾向があります。量が少なく日程に余裕があるなら自治体の収集、量が多く短期間で片付けたいなら事業者、という使い分けが基本です。費用を抑える工夫は「遺品整理の費用を抑える方法」にまとめています。

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