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実家じまいコラム

実家の物が多いのはなぜ?量の正体と、間取り別費用・自分で減らす場合の自治体差

この記事は、官公庁・関連団体の公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、実家じまい案内所編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。

この記事のポイント

  • 実家の物が多く感じられるのは気のせいではなく、世帯人数の変化・収納の死角化・保管期間の長さ・複数世代の物の混在という4つの構造が重なった結果です
  • 当サイト収録業者の遺品整理料金公表値を間取り別に集計すると(2026年7月28日時点・n=121件)、1R・1Kの上限額8.8万円に対し4LDK以上の上限額は49.5万円で、物量の増加に伴い費用の上限は約5.6倍まで跳ね上がります
  • 粗大ごみの出し方・手数料は自治体ごとに大きく異なります。津山市は戸別収集が品目により550〜2,200円(税込)+持込み55円/10kg(税込)、玉野市は品目別の単価表(税抜)で持込みが戸別収集より4割安いなど、金額の出し方・税表記自体が自治体でそろっていません(いずれも当社が自治体公式サイト・PDFを2026年9月10日に実読確認)
  • 物量を減らす優先順位は「安全動線→貴重品→高額買取品→自治体の粗大ごみ→残りは業者に一括」の順で考えると、自分でやる範囲と業者に頼む範囲を切り分けやすくなります
  • 具体的な進め方は状況(親が健在か・亡くなった後か・すでに空き家か)によって変わるため、状況別の手順は別記事で解説しています
布を掛けたソファと段ボール箱が置かれた片付け中の部屋(イメージ)

※画像はイメージです(写真素材: Pexels)

実家に足を踏み入れるたびに、押し入れ・納戸・物置・階段下収納から次々と物が出てきて、「一体どこにこれだけの量が入っていたのか」と圧倒される。片付けを始める前から、量そのものにやる気を削がれてしまう——実家の片付けで多くの人が最初にぶつかるのが、この「物量の壁」です。

この記事では、実家の物がなぜここまで多くなるのかを構造的に整理したうえで、当サイトが収録している業者の公表料金を使って「物量が増えると費用がどれだけ変わるか」を間取り別に示し、さらに自分で粗大ごみとして処分する場合の自治体ごとの違いを、実際に自治体の公式サイトを確認した数字で比較します。片付けの手順そのもの(親が健在か、亡くなった後か、すでに空き家かによる進め方の違い)は「実家の片付けはどう進める?」に譲り、この記事では「量」そのものに焦点をしぼります。

実家の物が多いと感じるのは、思い込みではない

「片付けが苦手だから物が多く見えるのでは」と自分を責めてしまう方もいますが、実家に物が集まりやすいのには、片付けの得手不得手とは関係のない構造的な理由が重なっています。

1. 世帯人数が減っても、物は自動的には減らない

子どもが独立し、夫婦2人、あるいは1人暮らしになった後も、子ども部屋の学用品や、かつて家族全員で使っていた食器・寝具の数はそのまま残ります。人が減れば物も比例して減る、という関係にはならないため、世帯人数のピーク時の物量が、そのまま「今の実家の物量」として残り続けます。

2. 収納が「死角」になり、点検されないまま増える

押し入れの奥、天袋、納戸、物置、床下収納など、日常的に開け閉めしない収納は、いったん物を入れると見直される機会がほとんどありません。よく使う棚は定期的に整理されますが、死角化した収納は「入れたら最後」になりやすく、何年分もの物がそのまま積み上がっていきます。

3. 保管期間そのものが長い

賃貸で数年おきに引っ越す暮らしでは、引っ越しのたびに物を見直す機会が強制的に発生します。一方、実家は同じ場所に何十年も住み続けるケースが多く、物を見直す強制的なタイミングそのものが存在しません。結果として、片付けの機会がないまま物量だけが積み上がっていきます。

4. 複数世代の物が同じ空間に混在している

実家には、親の物だけでなく、祖父母から引き継いだ物、すでに独立した子ども(自分やきょうだい)が置いていった物が同じ空間に混在していることが珍しくありません。「誰の持ち物か」「まだ使うのか」がすぐに判別できない物が多いほど、量そのものへの実感は重くなります。

この4つは、どれも「片付けの技術」とは別の、実家という場所が構造的に抱えやすい条件です。物量に圧倒される感覚そのものは自然な反応であり、まず「量が多いこと」を前提に、次にどう手を動かすかを考えていくほうが現実的です。判断の負担や親との衝突といった、量とは別の重さについては「実家の片付けにうんざり…それでも前に進むための現実的な考え方と選択肢」で整理しています。

物量は費用にどう跳ね返るか — 間取り別に集計してみた

「物が多い」という感覚を、具体的な数字で裏付けられないかと考え、当サイトに収録している遺品整理業者の公表料金を、間取り別に集計しました。間取りは家財の量と強く相関するため、「物量の目安」として使えます。

集計方法: 当サイトに掲載している遺品整理業者が、公式サイト上で公表している料金(間取り別の目安額)を、2026年7月28日時点で間取り区分ごとに収集・集計したものです。対象は1R・1K(27社)、1DK・1LDK(24社)、2DK・2LDK(25社)、3DK・3LDK(25社)、4LDK以上(20社)の合計121件で、各区分の最小値〜最大値をレンジとして示しています。

間取り 費用目安(集計社数) 1R・1K比(上限額の倍率)
1R・1K 1.5万〜8.8万円(27社) 1.0倍(基準)
1DK・1LDK 2.98万〜22万円(24社) 2.5倍
2DK・2LDK 4万〜33万円(25社) 約3.8倍
3DK・3LDK 8万〜44万円(25社) 5.0倍
4LDK以上 10万〜49.5万円(20社) 約5.6倍
遺品整理費用の上限は、間取り(物量)が大きくなるほど跳ね上がる 1R・1Kの上限額(8.8万円)を1.0倍とした場合の、各間取りの上限額の倍率 0倍 1倍 2倍 3倍 4倍 5倍 6倍 1R・1K 1.0倍(8.8万円) 1DK・1LDK 2.5倍(22万円) 2DK・2LDK 約3.8倍(33万円) 3DK・3LDK 5.0倍(44万円) 4LDK以上 約5.6倍(49.5万円) 出典: 当サイト収録業者の遺品整理料金公表値を間取り別に集計(2026年7月28日時点・n=121件、間取りごとに20〜27件)。 1R・1Kの上限額(8.8万円)を1.0倍として各間取りの上限額を指数化。実額のレンジは本文表を参照。実際の金額は家財量・立地条件等で変動。

間取りが1段階大きくなるごとに、上限額の倍率もほぼ均等に伸びていくのが分かります。1R・1Kと4LDK以上を比べると、部屋数は4段階の差ですが、費用の上限は約5.6倍まで開きます。これは、間取りが大きいほど収納の数・部屋の数が増え、それに比例して片付けなければならない物量(=作業量)も増えることの裏返しです。「物が多いと感じる」という主観的な印象は、実際に作業量・費用として跳ね返ってくる、というのがこの集計から言えることです。

なお、この記事の集計はあくまで遺品整理の目安レンジであり、実家じまい全体の費用(解体費用・不動産関連費用・供養費用を含む)は別の要素で決まります。実家じまい全体の費用構成を知りたい場合は「実家じまいの費用はいくら?」で解説しています。

自分で減らす場合の現実 — 粗大ごみの出し方は自治体でこれだけ違う

物量が多い場合でも、業者に依頼する前に、自分で自治体の粗大ごみ制度を使って減らせる部分はないか確認する価値があります。ただし、粗大ごみの出し方・手数料は自治体によって仕組みそのものが異なります。ここでは、当サイトが行政データを収録している岡山県の2市を例に、実際の違いを比較します(いずれも各市の公式サイト・PDFを2026年9月10日に実際に確認した内容です)。

津山市 玉野市
出し方 戸別収集、または津山圏域クリーンセンターへの直接持込み 戸別収集、または東清掃センターへの直接持込み
戸別収集の手数料 品目により550円・770円・1,100円・1,650円・2,200円(税込) 品目別の単価表(税抜)。例: タンス幅100cm以上1,500円、ベッドシングル1,000円
持込みの手数料 家庭ごみ55円/10kg、家庭ごみ以外のごみ77円/10kg(いずれも税込) 品目別の単価表(税抜)。例: タンス幅100cm以上900円、ベッドシングル600円
持込みと戸別収集の関係 品目定額制のため、持込みのほうが割安になるかは品目次第 持込みのほうが戸別収集より4割安い、と公式に案内
申込み 電話で住所・氏名・電話番号・品目を伝え、金融機関(郵便局を除く)で手数料を先払い 電話(平日8:30〜17:15)で電話番号・住所・氏名・品目・サイズ・個数を連絡

この2市を比べるだけでも、次のような違いが分かります。

  • 金額の出し方自体が違う: 津山市は「品目によって数段階の定額」、玉野市は「品目ごとに個別の単価」という異なる制度設計です
  • 税込表記と税抜表記が混在している: 津山市の金額はすべて税込、玉野市の金額はすべて税抜です。他の自治体の金額と比べる際は、この表記の違いに注意しないと、実際より安く(または高く)見積もってしまいます
  • 持込みが得かどうかも自治体次第: 玉野市は持込みのほうが明確に4割安いと案内していますが、これは玉野市の制度であり、他の自治体で同じ割引率が適用されるとは限りません

つまり、「粗大ごみは自治体に頼めば安い」という一般論だけで判断するのは危険です。お住まいの自治体、または実家がある自治体のホームページで、対象品目・手数料・税込か税抜か・持込みと戸別収集どちらが得かを、必ず個別に確認してください。 津山市・玉野市それぞれの詳しい収録内容と、対応可能な業者は「津山市の相談先を探す」「玉野市の相談先を探す」で確認できます。お住まいの自治体がこの2市と異なる場合も、「品目定額制か個別単価制か」「持込みと戸別収集のどちらが有利か」という2つの視点で自治体のページを読むと、比較しやすくなります。

物量に応じて、何から手をつけるか

物量が多いときほど、「何から手をつけるべきか」の優先順位を先に決めておくと、作業に迷いが出にくくなります。量の多さを前提にした優先順位は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 安全に歩ける動線を確保する: 何を捨てるかを決める前に、まず玄関からキッチン・トイレまでの通路を確保します。これだけで「作業が進んでいる」実感を得やすくなります
  2. 貴重品・重要書類を先に確保する: 通帳、印鑑、権利証、現金、写真アルバムなど、誤って処分すると取り返しのつかない物は、物量に関係なく最優先で探し出し、別の場所にまとめておきます
  3. 高額買取が見込める物を先に仕分ける: 貴金属・着物・骨董品・ブランド品などは、処分ではなく買取に回せる可能性があります。物量が多いほど「見つけそこねる」リスクも上がるため、量が多い場合ほど先に着手する価値があります。品目の見極め方は「実家の片付けで売れるものは?」で解説しています
  4. 自治体の粗大ごみ制度で対応できる範囲を切り分ける: 前章の比較のとおり、自治体ごとに手数料・品目定額制か個別単価制かが異なります。量がそれほど多くなければ、この段階でかなりの部分を自分たちで処理できます
  5. 残った量をまとめて業者に依頼する: 自治体の制度で対応しきれない量(1回の戸別収集で出せる個数に上限がある自治体も多い)や、時間・体力の制約がある場合は、残りをまとめて業者に依頼するのが現実的です

この優先順位は、物量が「少ない・中程度・多い」のどの段階でも共通して使えますが、実際にどこまで自分でやるか、どこから業者に頼むかを決める判断軸(親が健在か、亡くなった後か、実家がすでに空き家かによる違い)は状況ごとに変わります。状況別の具体的な進め方は「実家の片付けはどう進める?」にまとめていますので、優先順位を決めたあとはあわせてご確認ください。

今の物量から、次に決めること

実家の物が多いと感じている今、決められることを整理すると次の3つです。

  • 今の物量が、どの間取り相当かをざっくり見積もる(1R相当〜4LDK以上相当のどこに近いか)。物量の目安が分かれば、費用感の見立てもつけやすくなります
  • お住まい、または実家がある自治体の粗大ごみページを開き、品目定額制か個別単価制か、税込か税抜か、持込みと戸別収集のどちらが有利かを確認する。一般論ではなく、必ず自分の自治体のページで確認します
  • 貴重品の確保と、買取に回せる物の仕分けだけは、量の多さに関わらず先に着手する

物量の壁は、片付けを始める前が最も高く感じられます。実際に手を動かし始めると、動線の確保や貴重品の確保など「終わりが見える作業」から少しずつ進められることが多いです。自治体の制度だけでは処理しきれない量、あるいは時間的・体力的に難しいと感じた場合は、地域で対応できる業者を「地域から相談先を探す」から探すことができます。

よくある質問

実家の物が多いのは、自分の実家だけが特別なのでしょうか?

特別なことではありません。実家は、世帯人数が減った後も物の量がそのまま残ること、押し入れや納戸など普段目にしない収納に物が滞留しやすいこと、何十年という長い保管期間があること、親・祖父母・自分など複数世代の物が混在していることが重なりやすい場所です。これらは多くの実家に共通する構造的な理由であり、片付け方が下手だからではありません。

物が多いほど、遺品整理や生前整理の費用も高くなりますか?

当サイト収録業者の公表料金を間取り別に集計すると、物量の目安となる間取りが大きいほど費用の上限額も高くなる傾向があります(1R・1Kの上限8.8万円に対し4LDK以上の上限49.5万円、2026年7月28日時点・n=121件)。ただし同じ間取りでも実際の家財量や立地条件によって金額は変動するため、目安として捉えてください。

自分で粗大ごみを出せば、業者に頼むより必ず安く済みますか?

自治体の粗大ごみ制度を使えば費用を抑えられる場合はありますが、必ず安くなるとは限りません。手数料や持込みの可否は自治体ごとに大きく異なり、量が多い場合は自治体の制度自体が対象外になることもあります。お住まいの自治体、または実家がある自治体のホームページで、対象品目・手数料・持込みの可否を必ず確認してください。

粗大ごみの持込みと戸別収集はどちらが安いですか?

自治体によって異なります。玉野市の例では持込みが戸別収集より4割安いと案内されていますが、これは玉野市の制度であり、他の自治体にそのまま当てはまるとは限りません。お住まいの自治体ごとに確認が必要です。

物量が多すぎて自分では手に負えない場合、何から相談すればいいですか?

まず安全に歩ける動線を確保したうえで、貴重品を先に確保し、価値がありそうな物を査定に出し、それでも残る量については業者へのまとめた依頼を検討する、という順番で考えると判断しやすくなります。地域で対応できる業者は「地域から相談先を探す」から探せます。

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