実家じまい行程ガイド
実家じまいは何から始める?全体像と最初の一歩
この記事は一次情報(官公庁・関連団体の公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。
この記事のポイント
- 実家じまいは「状況の把握」→「方針を決める」→「作業する」→「実家の今後を決める」という大まかな流れで進みます
- 最初の一歩は片付け作業そのものではなく、家の中の状況と手続きの状況を把握することです
- 相続が関わる場合、期限が決まっている手続きがあるため、早めに全体像だけでも確認しておくと後で慌てにくくなります
- 一人で抱え込まず、家族と情報を共有しながら進めることが、負担を減らす鍵になります
実家じまいとは何か
「実家じまい」は、親が暮らしていた家の片付けや、家そのものの今後を決めていく一連の取り組みを指す言葉です。遺品整理(亡くなった方の持ち物を整理・処分すること)、生前整理(ご本人が元気なうちに、自身の持ち物や家のことを整理しておくこと)、空き家になった家の清掃・管理などをまとめて指すことが多く、法律や制度で決まった定義があるわけではありません。本サイトでは、これらをまとめて「実家じまい」と呼んでいます。
始めるきっかけは家庭によってさまざまです。親が亡くなったことをきっかけに、遺品整理として始まる場合もあれば、施設への入居や同居、住み替えのタイミングで、元気なうちに生前整理として始める場合もあります。きっかけが違っても、最初に確認しておきたいことや、進め方の基本的な考え方には共通する部分が多くあります。
きっかけ別に見る、進め方の違い
実家じまいを始めるきっかけによって、優先すべき事柄には多少の違いがあります。
- 親が亡くなったことがきっかけの場合: 遺品整理と並行して、相続に関する手続きの確認が欠かせません。気持ちの整理がつかないうちに作業を迫られることもあるため、無理のないペース配分を意識することが大切です。
- 施設への入居がきっかけの場合: ご本人の意向を確認できる場合が多いため、「何を残したいか」を直接聞きながら進められるのが特徴です。実家に戻る可能性の有無によって、片付けの範囲も変わってきます。
- 同居・住み替えがきっかけの場合: 引っ越し先のスペースに合わせて、持っていくもの・手放すものを線引きする作業が中心になります。比較的、計画的にスケジュールを立てやすいケースです。
どのきっかけであっても、次に説明する4つのステップの考え方自体は共通して使えます。
全体像:4つの大きなステップで考える
実家じまいは、細かく見ると次から次へとやることが出てくるように感じられますが、大きく分けると次の4つのステップで進みます。
- 1. 状況を把握する: 家の中の様子(部屋数・荷物の量)、相続や名義の状況、家族それぞれの希望や事情を確認する段階です。
- 2. 方針を決める: いつまでに、誰が中心になって、どこまで自分たちで進め、どこから業者に依頼するかを決める段階です。
- 3. 作業する: 家財の仕分け・処分・買取、必要に応じた供養や清掃など、実際に手を動かす段階です。
- 4. 実家の今後を決める: 片付けが済んだ家自体を、売却するか、賃貸に出すか、維持管理を続けるかを決める段階です。
この4つは、上から順番に一直線で進むとは限りません。「作業を進めながら、並行して実家の今後も検討する」というように、行き来しながら進むことも珍しくありません。それでも、自分たちが今どのステップにいるのかを意識できると、次に何をすればよいかが見えやすくなり、進め方に迷ったときの目印になります。
最初の一歩は「片付け」そのものではない
実家じまいと聞くと、まず段ボールやごみ袋を用意して片付けを始めるイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、最初にやっておきたいのは、片付け作業そのものよりも「状況の把握」です。具体的には、次のようなことを確認しておくと、後の作業が進めやすくなります。
- 家族・親族の中で、話し合いに関わる人は誰か
- 遺言の有無(相続が発生している場合)
- 実家の名義(現在、誰の所有になっているか)
- 家の中のおおまかな荷物量(部屋数、使っていない部屋の有無など)
- 仏壇・位牌など、供養が関わるものの有無
- 貴重品・重要書類(通帳、印鑑、権利証など)の保管場所に心当たりがあるか
これらを最初に確認しておくことで、「誰が」「何を」「いつまでに」進めるのかという方針が立てやすくなります。逆に、状況を把握しないまま作業を始めてしまうと、後になって「あの部屋も手つかずだった」「重要な書類がどこにあるか分からなくなった」といった事態につながりやすくなります。
相続が発生している場合は、期限のある手続きに注意
親が亡くなったことをきっかけに実家じまいを始める場合、相続に関する手続きの中には、法律で期限が決まっているものがあります。片付け作業そのものに法律上の期限はありませんが、相続放棄や相続税の申告など、期限のある手続きを後回しにしてしまうと、選択できる対応の幅が狭まってしまうこともあります。
「まずは片付けを終わらせてから、相続のことは後で考えよう」と進めてしまうと、気づいたときには期限が迫っていた、ということも起こり得ます。片付けと並行して、早い段階で一度、どのような手続きにどのくらいの期限があるのかだけでも確認しておくと安心です。詳しくは次のガイド「実家じまいのスケジュールの立て方」でまとめて解説しています。
一人で抱え込まないための工夫
実家じまいは、体力を使う作業であると同時に、思い出の品と向き合う精神的な負担も伴う取り組みです。遠方に住む家族がいる場合や、仕事・育児と並行して進める場合は、すべてを一人で背負おうとせず、できる範囲を家族で分担することも大切な進め方のひとつです。
家族間での分担が難しい部分、たとえば大量の家財の搬出や、特殊な清掃、供養が必要なものの取り扱いなどについては、専門の業者に依頼するという選択肢もあります。業者への依頼を検討する際は、料金だけでなく、必要な許可を持っているかどうかを確認することが、安心して任せられるかどうかの目安になります。業者選びのポイントは「遺品整理業者の選び方」で詳しく解説しています。
また、「何から手をつければよいか分からない」と感じて作業が止まってしまうこと自体は、珍しいことではありません。実家じまいは扱う範囲が広く、判断に迷う場面も多い取り組みです。一度にすべてを終わらせようとせず、範囲を区切って少しずつ進める方法についても、コラム「実家の片付けはどこから手をつける?」で紹介しています。
進め方でよくある不安
実家じまいを始めるにあたって、次のような不安を感じる方は少なくありません。
- 何にどれくらいの費用がかかるのか分からない
- 忙しくて、まとまった時間を取れない
- 思い出の品をどう扱えばよいか判断できない
- 家族の中で意見が分かれている
これらはいずれも、実家じまいに取り組むうえでよくある悩みです。費用は、間取りや荷物の量、依頼する作業内容によって幅が大きく、一律の金額を示すことが難しい分野です。時間の確保や思い出の品との向き合い方、家族間の意見のすり合わせについても、正解がひとつに決まっているわけではありません。こうした点は、それぞれ後続のガイドで順を追って取り上げていきますので、今の段階では「よくある悩みなのだ」と知っておくだけでも十分です。
焦らなくても大丈夫
実家じまいには、「いつまでに終わらせなければならない」という一律の期限があるわけではありません(相続に関する一部の手続きを除きます)。実家が空き家のまま残っていること自体を過度に問題視する必要はなく、家族の状況やペースに合わせて進めることができます。とはいえ、判断を先延ばしにし続けると、荷物が増えたり、家の管理が行き届かなくなったりすることもあるため、無理のない範囲で少しずつ進めていく意識を持てるとよいでしょう。
よくある質問
実家じまいは何から始めればいいですか?
いきなり片付けを始めるより先に、家の中の状況(部屋数・荷物の量)と、相続に関する手続きの状況(相続人が誰か、遺言の有無など)を家族で共有することから始めると、後の作業を進めやすくなります。
遺品整理と生前整理はどう違いますか?
遺品整理は、亡くなった方の持ち物を整理・処分することを指します。生前整理は、ご本人が元気なうちに自身の持ち物や家のことを整理しておくことを指します。どちらも実家じまいに含まれる作業です。
何から手をつければよいか分からず、作業が止まってしまいました。どうすればいいですか?
実家じまいは対象範囲が広く、判断に迷う場面が多いため、途中で止まってしまうのは珍しいことではありません。一度に終わらせようとせず、範囲を区切って進める方法や、判断に迷うものは保留にしておく方法もあります。
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