実家じまい案内所

実家じまい行程ガイド

実家じまいのスケジュールの立て方(相続後の期限がある手続きも整理)

この記事は一次情報(官公庁・関連団体の公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • 実家じまいの作業(片付け・整理)自体には法律上の期限はありませんが、相続に関する手続きには期限が決まっているものがあります
  • 代表的な期限は、相続放棄が3か月、準確定申告が4か月、相続税の申告・納税が10か月です(いずれも起算日は「知った日」)
  • 相続登記は2024年4月から義務化されており、正当な理由なく期限内に申請しないと過料の対象になり得ます
  • 期限のある手続きを軸にして、片付け作業のペースを逆算すると、スケジュールを立てやすくなります

実家じまいのスケジュールを考える前に確認したいこと

実家じまいのスケジュールは、相続が発生しているかどうかで考え方が変わります。生前整理として進める場合、法律上の期限に縛られることは基本的にありません。家族の都合やご本人の体調に合わせて、無理のないペースで進めることができます。

一方、親が亡くなったことをきっかけに実家じまいを始める場合は、相続に関する手続きの中に、法律で期限が決まっているものがあります。片付け作業そのものに期限はありませんが、これらの手続きを知らないまま片付けだけを先に進めてしまうと、後になって選択肢が狭まってしまうことがあります。まずは、どのような手続きにどのくらいの期限があるのかを把握するところから始めましょう。

法律で期限が決まっている主な手続き

相続に関連する手続きのうち、代表的なものを期限の短い順に整理します。いずれも起算日(数え始める日)の考え方が手続きごとに異なるため、正確な期限は各制度の公式情報で確認してください。

相続放棄・限定承認(原則3か月)

借金などのマイナスの財産を含めて相続したくない場合、家庭裁判所に相続放棄を申述する必要があります。この期間は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から原則3か月とされており、民法915条に定められています。期間内に申述しなければ、原則として相続を単純承認したものとみなされます。事情によっては家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることも可能です。詳しくは裁判所「相続の放棄の申述」で確認できます。

なお、相続放棄を検討している場合は、家財を処分する行為が「相続財産の処分」とみなされ、単純承認したことになってしまうケースもあり得ます。判断に迷う場合は、片付けを進める前に専門家へ相談することをおすすめします。

準確定申告(4か月)

亡くなった方に一定の所得があった場合、相続人が代わりに所得税の確定申告を行う「準確定申告」が必要になることがあります。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。詳しくは国税庁 No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」で確認できます。

相続税の申告と納税(10か月)

相続税がかかる場合、申告と納税の期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。申告だけでなく納税もこの期限までに行う必要があります。詳しくは国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」で確認できます。相続税がかかるかどうかは財産の総額によって異なるため、心当たりがある場合は早めに税理士等へ相談すると安心です。

相続登記(3年以内・義務化)

実家などの不動産を相続した場合、相続登記の申請が法律上の義務になっています。令和6年(2024年)4月1日から施行された制度で、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。遺産分割が成立した場合は、成立した日から3年以内に登記をする必要があります。詳しくは法務省「相続登記の申請義務化について」をご確認ください。この制度は2024年4月より前に相続した不動産にも適用されるため、「昔相続した実家がそのままになっている」という場合も対象になり得ます。

遺産分割協議のタイミングにも注意

相続人が複数いる場合、遺産をどのように分けるかを話し合う「遺産分割協議」も、実家じまいのスケジュールに関わってきます。遺産分割協議そのものに法律上の期限はありませんが、相続税の申告(10か月以内)を、実際に分割された内容にもとづいて行いたい場合は、申告期限までに協議をまとめておく必要があります。協議がまとまらないまま申告期限を迎えると、いったん法定相続分で申告し、後日改めて修正するという対応が必要になる場合もあります。詳しくは国税庁 No.4208「相続財産が分割されていないときの申告」をご確認ください。相続人が複数いる、または疎遠な親族がいるなど、話し合いに時間がかかりそうな事情がある場合は、早めに着手しておくことをおすすめします。

期限のない作業(片付け・整理)をどう組み込むか

上記の手続きには期限がありますが、家財の片付けや仕分け、供養、清掃といった作業そのものには法律上の期限はありません。そのため、スケジュールを立てる際は、期限のある手続きを軸にして、片付け作業のペースをその前後に配置していく考え方がおすすめです。

たとえば、相続税の申告が必要になりそうな場合、財産の全容(実家の評価額や家財の中にある資産価値のあるものなど)を把握する必要があるため、申告期限から逆算して、いつ頃までに家財の仕分けを終えておきたいかを考える、といった進め方です。すべてを一度に終わらせる必要はなく、「期限のある手続きに影響する部分」から優先的に進め、思い出の品の整理など時間をかけたい作業は後回しにする、というメリハリも有効です。

スケジュールの考え方の一例

期限のある手続きを軸に置くと、次のような考え方でスケジュールを組み立てることができます。あくまで考え方の一例であり、実際にどう進めるべきかは家庭の事情によって異なります。

  • 相続の開始を知ってからおおむね3か月以内: 相続放棄をするかどうかを判断する(必要なら家庭裁判所へ申述する)。この間は、家財の処分に慎重になっておきたい期間でもあります。
  • 3か月〜4か月ごろ: 相続する方針が固まったら、準確定申告が必要かどうかを確認し、必要な場合は期限までに済ませる。並行して、実家の中の状況把握や、家族内での方針のすり合わせを進める。
  • 4か月〜10か月ごろ: 遺産分割協議を進めながら、家財の仕分け・売却・処分など実際の作業を進める。相続税の申告が必要な場合は、財産の全容(実家の評価額を含む)を把握しておく。
  • 10か月以降〜3年以内: 相続税の申告・納税が済んだ後、相続登記(名義変更)を進める。実家の売却や賃貸を検討している場合は、登記の完了が前提になる。

上記はあくまで「期限のある手続き」を軸にした一例で、生前整理として進める場合や、相続税がかからない場合は、この通りに進める必要はありません。ご自身の状況に当てはまる手続きがどれかを確認したうえで、参考にしてください。

迷ったら専門家への相談も選択肢

相続に関する手続きは、法律・税務の専門知識が必要になる場面が多くあります。相続放棄をするかどうかの判断は弁護士や司法書士、相続税に関する相談は税理士、不動産の名義変更(相続登記)は司法書士が主な相談先です。実家じまい全体の進め方に迷ったときは、まず「実家じまいは何から始める?」で全体像を確認したうえで、手続きごとに適した専門家へ相談する流れがスムーズです。

実家(不動産)そのものを売却するか、賃貸に出すか、維持管理を続けるかといった今後の方針についても、相続登記の完了が前提になる場面が多いため、あわせて「実家をどうするか」もご確認ください。

よくある質問

相続するかどうか迷っている場合、片付けを進めてもいいですか?

相続放棄を検討している場合、遺産(家財を含む)の処分の仕方によっては、単純承認をしたとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。相続放棄を検討している段階では、家財の処分を進める前に、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続の手続きは自分たちだけでできますか?

内容によっては自分たちで進めることもできますが、相続放棄は家庭裁判所、相続税の申告は税務署が窓口になるなど、手続きごとに専門的な知識が必要になる場面があります。判断に迷う場合は、弁護士・税理士・司法書士など、内容に応じた専門家に相談する方法もあります。

実家じまいの作業自体には期限がありますか?

家財の片付けや整理そのものに、法律で定められた期限はありません。ただし、相続登記のように「不動産の所有権を取得したことを知った日」が起算点になる手続きもあるため、片付けと手続きを完全に切り離して考えるのではなく、あわせて把握しておくことが望ましいです。

あわせて読みたい

お住まいの地域の相談先を探す

都道府県を選ぶと、実家じまい・遺品整理・生前整理に対応する相談先を探せます。

地域から相談先を探す(準備中の地域もあります)

最終更新日: