実家じまいコラム
遺品整理はいつから始める? 気持ちの整理と手続きの期限から考える
この記事は一次情報(官公庁・関連団体の公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。
この記事のポイント
- 遺品整理をいつから始めるべきかについて、法律上の決まりはありません
- 四十九日や一周忌など、法要を一つの区切りとして始める方法も、気持ちの整理がついてから始める方法もあります
- 賃貸物件の場合、契約上の解約予告期間や明け渡しの期限が、実質的なスケジュールの目安になることがあります
- 相続放棄を検討している場合は、遺品を処分する前に専門家へ相談することが重要です(出典あり)
- 「早すぎる」「遅すぎる」を気にしすぎず、家庭の状況に合ったタイミングを選ぶことが大切です
「いつから始めればいいか」に法律上の決まりはない
親族が亡くなった後、遺品整理をいつから始めればよいか、明確な決まりはありません。「まだ早いのではないか」「もう始めなければならないのではないか」と、時期そのものに悩む方は少なくありませんが、法律で始める時期が定められているわけではなく、家庭の状況や気持ちの整理具合によって、適したタイミングは異なります。
きっかけから考える
遺品整理を始めるきっかけは、家庭によってさまざまです。次のようなきっかけで始める方が見られます。
- 法要の区切り: 四十九日や一周忌など、親族が集まる機会をきっかけにする
- 賃貸の退去期限: 家賃の発生を止めたい、契約更新までに明け渡したいといった事情から始める
- 相続手続きとの兼ね合い: 相続税の申告など、期限のある手続きと並行して始める
- 実家の管理負担: 空き家となった実家の管理(換気、防犯、庭木の手入れなど)が気になり始める
- 気持ちの整理がついたタイミング: 「そろそろ」と自然に感じられるようになってから始める
どのきっかけで始めても構いませんが、それぞれ考慮しておきたい点が異なります。順に見ていきましょう。
気持ちの整理という観点 — 法要を区切りにする考え方
多くの方にとって、遺品整理は思い出の品と向き合う、精神的な負担を伴う作業です。四十九日や一周忌といった法要を一つの区切りとして、そこから遺品整理に取り掛かるという考え方は、古くからある一般的な進め方のひとつです。ただし、これはあくまで気持ちの整理をつけるための習わしであり、「その日までは始めてはいけない」「その日までに終わらせなければならない」という決まりではありません。気持ちの整理がつくまで、法要より後に始めても問題はありませんし、逆に、少しずつでも早めに始めることで気持ちが整理されていく場合もあります。どちらが正しいというものではなく、ご自身や家族が無理なく向き合えるタイミングを選ぶことが大切です。
賃貸物件の場合は、退去期限が実質的な目安になる
親が賃貸物件に住んでいた場合、契約で定められた解約予告期間や、明け渡しの期限が、遺品整理のスケジュールを左右する実質的な要因になります。家賃が発生し続けることを避けたい場合は、退去期限から逆算して作業を進める必要があります。契約内容(解約の申し出期限、原状回復の範囲など)は契約書によって異なるため、早い段階で契約書を確認し、管理会社や大家に相談しておくことをおすすめします。相続人が複数いる場合は、誰が窓口になって管理会社とやり取りするかを、早めに決めておくと二度手間になりにくくなります。
家族の間でタイミングをすり合わせる
相続人やきょうだいなど、複数の家族が関わる場合、「いつから始めるか」自体が意見の分かれるポイントになることがあります。誰か一人が「早く片付けたい」と考えていても、他の家族の気持ちの整理が追いついていない場合、話し合いが平行線になってしまうこともあります。
こうした場合は、具体的な作業開始日を急いで決めるのではなく、まず「いつ頃までに、おおまかな方針だけでも共有しておきたい」という緩やかな目標を家族間ですり合わせておく方法があります。遠方に住む家族がいる場合は、実家の様子を写真や動画で共有しながら、次に集まるタイミング(法要や帰省など)に合わせて話し合いの機会を作ると、無理なく足並みを揃えやすくなります。
相続放棄を検討している場合は、特に注意が必要
相続に関する手続きの中には、期限が決まっているものがあります。特に注意したいのが、借金などのマイナスの財産を含めて相続したくない場合に検討する「相続放棄」です。
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述する必要があります(民法915条)。手続きの詳細は裁判所「相続の放棄の申述」で確認できます。
さらに注意したいのは、この期限とは別に、相続放棄を検討している間の遺品の扱いです。民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定められています。
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
(出典: e-Gov法令検索「民法」第921条)
そのため、相続放棄をするかどうか迷っている段階で遺品を処分してしまうと、後から相続放棄が認められなくなる可能性があります。相続放棄を検討している場合は、遺品の処分に着手する前に、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。期限のある手続き全体の整理は「実家じまいのスケジュールの立て方」でまとめて解説しています。
「早すぎる」「遅すぎる」を気にしすぎなくてよい
ここまで見てきたように、遺品整理を始める時期には、法要や賃貸の期限、相続放棄の判断など、考慮すべき要素はいくつかありますが、それらに当てはまらない限り、「いつから始めるべきか」に一律の正解はありません。焦って始める必要も、遅すぎることを気にする必要もなく、ご自身や家族の状況に合ったタイミングを選ぶことができます。
始める時期が決まったら、実際にどこから手をつければよいかで悩む方も多くいます。全体の流れを知りたい場合は「実家じまいは何から始める?」を、着手する場所の決め方は「実家の片付けはどこから手をつける?」を、あわせてご覧ください。
よくある質問
四十九日を過ぎないと遺品整理を始めてはいけませんか?
法律上、始める時期に決まりはありません。四十九日などの法要を区切りにする考え方は、あくまで気持ちの整理をつけるための一つの習わしであり、始める時期そのものを制限するものではありません。
賃貸に住んでいた場合、いつまでに片付ければいいですか?
契約で定められた解約予告期間や、明け渡しの期限までに退去する必要があるため、契約書の内容を早めに確認しておくことをおすすめします。期限は契約によって異なります。
相続放棄を考えている場合、遺品に触ってはいけませんか?
相続財産を処分する行為があると、相続放棄が認められなくなる場合があります。相続放棄を検討している段階では、遺品の処分に着手する前に、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
早く片付けた方がいいですか、それともゆっくりでもいいですか?
どちらが正しいというものではありません。相続に関する期限のある手続きに影響する部分を除けば、気持ちや状況に合わせて進めるペースを選ぶことができます。
遺品整理を始めるきっかけには、どのようなものがありますか?
法要の区切り、賃貸の退去期限、相続手続きの必要性、空き家となった実家の管理負担など、きっかけは家庭によってさまざまです。
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