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実家の片付けを親と話し合うコツ — 「説得」ではなく「対話」から

この記事は一次情報(官公庁・関連団体の公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • 実家の片付けを親に持ちかけるときは、「捨てる話」からではなく、安全・防災の視点から入ると受け止めてもらいやすいことがあります
  • 高齢になるほど住宅内の事故(転倒・火災)のリスクが相対的に高まるというデータが公的機関から示されています
  • 思い出の品から手をつけると話が止まりやすいため、影響の少ない場所から提案する方法があります
  • 頭ごなしに「捨てよう」と迫るのではなく、本人の意思決定を尊重する対話の姿勢が大切です
  • 一度で結論を出そうとせず、時間をかけて何度か話す機会を持つことも有効です

なぜ実家の片付けは親子で話しにくいのか

「実家を片付けたほうがいいのでは」と感じても、親にどう伝えればよいか悩む方は少なくありません。子ども世代からすると、モノの多さや管理の負担が気になっても、親世代にとっては長年暮らしてきた家であり、持ち物一つ一つに愛着や思い出があります。「捨てなさい」という伝え方は、たとえ善意からであっても、本人の生活や価値観を否定するように受け取られてしまうことがあります。実家の片付けを親子でうまく進めるためには、「説得」ではなく「対話」を意識することが出発点になります。

「捨てる話」から入らない

片付けの話を切り出すとき、「これいらないでしょう」「もう捨てたら」という言葉から始めると、身構えられてしまいやすくなります。まずは、片付けそのものの話ではなく、「最近困っていることはない?」「暮らしやすさで気になることはある?」といった、本人の生活状況を尋ねる対話から始める方法があります。本人が困りごとを話してくれれば、その困りごとの解決策の一つとして、片付けの話が自然につながっていきます。

伝え方を少し変えるだけでも、受け取られ方は変わります。たとえば、「これ、もう捨てたら?」ではなく「これ、最近使ってる?」、「実家、片付けないと」ではなく「実家のこと、少し話しておきたいんだけど」、「危ないから全部片付けよう」ではなく「ここ、通るときに引っかからない?」というように、決めつけの言葉を、本人に尋ねる言葉に置き換えるだけでも印象は変わります。言葉そのものよりも、「決めつけていないか」「本人に聞く姿勢があるか」が伝わり方を左右します。

入り口は「安全・防災」の視点から

片付けを持ちかける入り口として、安全・防災の視点は、多くの方が受け入れやすい話題です。実際に、高齢になるほど住宅内の事故によるリスクが相対的に高まるというデータが、公的機関から示されています。

総務省消防庁の「令和6年版消防白書」によれば、令和5年中の住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く)1,023人のうち、65歳以上の高齢者は762人で、全体の74.5%を占めています(出典: 総務省消防庁「令和6年版消防白書」2.火災による死者の状況)。

また、消費者庁の公表資料によれば、高齢者の転倒事故の約半数が、住み慣れた自宅で発生しているとされています(出典: 消費者庁「10月10日は『転倒予防の日』」)。同資料では、転倒予防のポイントとして、電源コードなど足元の障害物を通り道に置かないことなどが挙げられています。

こうしたデータを知っておくと、「片付けよう」と伝える際に、「モノが多くて見苦しいから」ではなく、「安全に暮らし続けるために、通り道や足元を整理しておきたい」という、前向きで本人のための理由として伝えやすくなります。実際に片付けるかどうかを決めるのは本人ですが、判断材料として安全面の情報を共有すること自体は、押し付けにはなりにくい伝え方です。

思い出の品から始めない

片付けに着手する順番も、話し合いの進めやすさに影響します。写真、手紙、着物など、思い出や愛着が強いものから片付けの話を始めると、気持ちの面で話が止まりやすくなります。まずは、使っていない部屋、期限切れの消耗品、重複している道具など、判断に迷いにくく影響の少ない場所から提案してみましょう。「まずはここだけ」という小さな提案の方が、本人にとっても受け入れやすくなります。思い出の品は、本人が向き合いたいタイミングを待つ、という選択肢もあります。

きょうだいがいる場合は、先に足並みを揃える

きょうだいなど、複数の家族が実家に関わっている場合は、親に話す前に、きょうだい同士で伝え方の方針をすり合わせておくことをおすすめします。それぞれが別々のタイミングで、別々の伝え方で片付けを持ちかけてしまうと、親からすると「みんなから責められている」ように感じられ、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。誰が最初に話すか、どのような切り出し方にするかを事前に共有しておくだけでも、親が受け取る印象は大きく変わります。

本人の意思決定を尊重する

実家も、その中にある持ち物も、基本的には親自身のものです。子ども世代がよかれと思って進めようとしても、最終的な判断は本人に委ねる姿勢が欠かせません。「残す」「手放す」を決めるのは本人であり、子ども世代の役割は、判断に必要な情報(安全面のリスク、費用の目安、片付け方の選択肢など)を提供し、本人が決めやすい状況を整えることにあります。意思決定を尊重されていると感じられれば、本人も前向きに話し合いに応じやすくなります。

一度で終わらせようとしない

片付けの話し合いは、一度ですべての結論を出そうとしないことも大切です。帰省のたびに少しずつ話題にする、電話で近況を聞くついでに触れてみるなど、時間をかけて何度か対話の機会を持つことで、本人が考える時間を確保できます。急かされていると感じると、かえって話し合いに応じにくくなることもあります。焦らず、本人のペースに合わせて対話を重ねていく姿勢が、結果的に片付けを前に進めやすくします。

まとめ

実家の片付けを親と話し合ううえで大切なのは、「説得して従わせる」のではなく、「対話を通じて本人の意思決定を支える」という姿勢です。安全・防災という前向きな入り口から始め、思い出の品は後回しにし、時間をかけて何度か話す機会を持つことで、無理のない形で片付けを進めやすくなります。実家全体の今後の選択肢については「実家(不動産)をどうするか」も、あわせてご覧ください。

よくある質問

親が実家の片付けに応じてくれません。どうすればいいですか?

無理に説得しようとするより、まずは「なぜ気が進まないのか」を聞く対話から始める方法があります。安全面の心配や、思い出の品への愛着など、理由が分かると、伝え方も工夫しやすくなります。

何から話を切り出せばいいですか?

「捨てよう」という切り出し方より、「安全に暮らし続けるために」という安全・防災の視点から話し始める方法があります。転倒や火災のリスクは、多くの方が受け入れやすい話題です。

思い出の品はどう扱えばいいですか?

思い出の品から片付けの話を始めると、気持ちの面で話が止まりやすくなります。まずは影響の少ない場所(使っていない部屋や消耗品など)から提案し、思い出の品は本人のペースに委ねることをおすすめします。

一度の話し合いで結論を出そうとしてもいいですか?

一度で結論を出そうとせず、時間をかけて何度か話す機会を持つ方法がおすすめです。帰省のたびに少しずつ話題にするなど、本人が考える時間を確保することも大切です。

説得してでも片付けさせるべきでしょうか?

実家も持ち物も、基本的には本人のものです。説得して従わせるという発想よりも、本人の意思決定を尊重しながら、必要な情報(安全面のことなど)を伝えるという対話の姿勢が、長期的には受け入れられやすい傾向があります。

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