実家じまいコラム
空き家管理とは?何をすればいい? 自分で行う方法と業者に任せる場合の考え方
この記事は、官公庁・関連団体の公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、実家じまい案内所編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第5条は、空き家の所有者等に「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努める」責務を定めています
- 空き家所有者は、取得経緯の約6割が相続で、居住地から空き家まで1時間を超える所有者が約3割、家計を支える人の6割超が65歳以上となっており(国土交通省調査)、自ら管理することが難しいケースが少なくありません
- 管理指針では、所有者等が一定の頻度で点検を行うとともに、空き家に破損等が見られる場合はその修繕等を行うことが求められています
- 適切な管理を怠ると、自治体から「管理不全空家等」「特定空家等」として指導・勧告の対象となり、固定資産税の軽減特例が受けられなくなる可能性があります
- 自分での管理が難しい場合は、不動産業者などが提供する空き家管理サービスに、点検頻度や作業範囲を相談しながら委託する方法もあります
※画像はイメージです(写真素材: Pexels)
実家が空き家になったあと、片付けは済んだものの「その後どう管理すればいいのか」で悩む方は少なくありません。この記事では、空き家管理がなぜ必要なのか、自分で行う場合にやること、管理が難しい場合の考え方を、国土交通省の資料にもとづいて整理します。
空き家管理とは何か、なぜ必要なのか
空き家は私有財産であり、その管理は所有者自身が行うことが原則です。空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第5条では「空家等の所有者等の責務」が規定されており、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空き家の適切な管理に努めることが所有者の責務として位置づけられています。2023年12月に施行された改正空家法では、周囲に悪影響を及ぼす前の段階から、空き家の適切な管理を確保するための措置が盛り込まれました(出典: 国土交通省「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」、令和6年6月策定)。
空き家は人が住んでいる住宅と比べて不具合の発生が発見されにくく、傷みが早く進行する傾向があります。発生後できるだけ早い段階から適切な管理を行うことで、資産価値を保全し、将来的な流通・利活用に適した状態を維持しやすくなります。
空き家所有者の実態
空き家の所有者自身が、必ずしも自分で管理しやすい状況にあるとは限りません。国土交通省の「令和元年空き家所有者実態調査」によると、空き家所有者には次のような傾向があります。
(出典: 「令和元年空き家所有者実態調査」(国土交通省)。国土交通省「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」(令和6年6月)による引用値)
取得経緯の多くが相続であること、居住地から離れて住んでいる所有者が一定数いること、所有者自身の高齢化が進んでいることから、自ら適切に管理を行うことが難しいケースが一定程度存在すると考えられます。
管理を怠るとどうなるか
空家法では、「適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態」を「管理不全空家等」、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」などを「特定空家等」と定義しています。市町村長は、管理不全空家等の所有者に対して指導を行うことができ、状態が改善されず特定空家等に該当するおそれが大きいと認めるときは、勧告を行うことができます(出典: 前掲「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」)。
管理不全空家等・特定空家等として勧告を受けると、その空き家の敷地は固定資産税の住宅用地特例の対象外となり、土地にかかる固定資産税額が増える可能性があります。この特例の仕組みについては「実家を空き家のまま放置すると固定資産税はどうなる?」で詳しく解説しています。
自分で管理する場合にやること
国土交通省の管理指針では、所有者等が空き家等の適切な管理について、「一定の頻度で点検を行うとともに、空き家等に破損等が見られる場合にはその修繕等を行うこと」が基本とされています。実務的には、次のような作業が中心になります。
- 外観・屋内の点検: 建物の傾き、屋根や外壁の破損、雨漏りの有無などを定期的に確認する
- 通気・換気: 屋内にこもった湿気を逃し、カビや傷みの進行を防ぐ
- 郵便受け・敷地内の確認: 郵便物の滞留や、庭木・雑草が近隣に越境していないかを確認する
- 破損時の修繕: 点検で破損等が見つかった場合、必要に応じて修繕を行う
片付けが終わっていない実家の場合、電気・水道を止めるタイミングや貴重品の探し方など、片付け段階で確認しておきたいことは「空き家になった実家の片付け方」で解説しています。
管理を第三者に任せる場合
自分での管理が難しい場合、管理を第三者に委託することも選択肢の一つです。国土交通省のガイドラインでは、次のような委託のパターンが例として紹介されています。
- 近傍に居住する所有者が、日常的な点検は自分で行いながら、対応が難しい作業のみを年1〜2回委託する
- 遠隔地に居住する所有者が、建物内部での通気・換気や外観の点検を、定期的な巡回とあわせて継続的に委託する
- 第三者が屋内に立ち入ることに抵抗がある場合、屋内の通気・換気は所有者自身が行い、外観の目視確認のみを定期的に委託する
必要な作業の内容や頻度は、空き家の状態や所有者の事情によって異なるため、相談の際に具体的な希望を伝えることが、行き違いを防ぐポイントになります。
当サイトでできること
当サイトには、空き家管理(定期巡回など)に特化した専用のサービスカテゴリは現時点でありません。空き家の片付け・清掃を扱う事業者の中には、片付け後の管理業務まで対応している場合があるため、まずは片付けの相談とあわせて確認してみることをおすすめします。地域の相談先は「地域から相談先を探す」からご確認いただけます。空き家全体の今後の方針(管理を続けるか、売却・賃貸するか)を検討したい場合は「実家(不動産)をどうするか」もあわせてご覧ください。
まとめ
空き家管理は、空家法で所有者の責務として位置づけられており、放置すると管理不全空家等・特定空家等として指導・勧告の対象になり、固定資産税の軽減特例を失うおそれもあります。一方で、相続による取得や遠方居住、所有者の高齢化により、自ら管理することが難しいケースも少なくありません。自分でできる範囲(点検・通気・換気など)を把握したうえで、難しい部分は第三者への委託も選択肢に入れて検討することをおすすめします。
よくある質問
空き家管理とは具体的に何をすることですか?
国土交通省の管理指針では、所有者等が一定の頻度で点検を行うとともに、空き家に破損等が見られる場合はその修繕等を行うことが基本とされています。実務的には、建物の外観確認、屋内の通気・換気、郵便物の確認、庭木の手入れなどが含まれることが多いです。
空き家を放置するとどうなりますか?
適切な管理が行われていないと、自治体から「管理不全空家等」として指導を受け、それでも改善しない場合は「特定空家等」として勧告の対象になることがあります。勧告を受けると、土地の固定資産税に適用されていた住宅用地特例が受けられなくなり、税額が上がる可能性があります。
空き家管理はどのくらいの頻度で行えばいいですか?
決まった頻度はなく、空き家の状態や所有者の状況によって異なります。国土交通省のガイドラインでは、近傍に居住する所有者が対応の難しい作業のみを年1〜2回委託する例や、遠隔地に住む所有者が管理を第三者に継続的に委託する例などが紹介されています。
遠方に住んでいて自分で管理に行けません。どうすればいいですか?
国土交通省の調査では、居住地から空き家までの所要時間が1時間を超える所有者が約3割を占めるとされています。自ら管理することが難しい場合は、不動産業者などが提供する空き家管理サービスに、定期的な巡回・点検・通気などを委託する方法があります。
当サイトで空き家管理サービスの業者を探せますか?
当サイトには空き家管理に特化した専用のサービスカテゴリはありませんが、空き家の片付け・清掃を扱う事業者の中に、管理業務まで対応している場合があります。地域の相談先は「地域から相談先を探す」からご確認いただけます。
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