実家じまいコラム
実家じまいが寂しい・罪悪感がある — 気持ちと向き合いながら進めるための考え方
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この記事のポイント
- 実家じまいで寂しさや罪悪感を感じるのは自然な感情であり、否定したり無理に抑え込んだりする必要はありません
- 家は家族の思い出が積み重なった場所であるため、片付けが進むほど寂しさを感じやすくなるのは自然な流れです
- 一度に終わらせようとせず、写真に残す・思い出の品は最後に回すなど、気持ちに配慮した進め方があります
- 仏壇の閉眼供養のように、気持ちに区切りをつけるための儀式を取り入れる方法もあります
- 一人で抱え込まず家族と分担すること、つらさが続く場合は無理をせず身近な人や専門家に相談することも大切です
※画像はイメージです(写真素材: Pexels)
実家じまいを進めていると、荷物を片付けているだけのはずなのに、ふと手が止まって寂しくなったり、「本当にこれでいいのだろうか」という罪悪感がわいてきたりすることがあります。効率よく進めようと思っていたのに、思うように作業が進まず、自分でも戸惑ってしまう方も少なくありません。
この記事では、実家じまいでなぜ寂しさや罪悪感を感じやすいのか、その感情とどう向き合えばよいか、そして気持ちを大切にしながら実際に作業を進めていくための工夫について解説します。数値や事例を並べて急かすような内容ではなく、今まさにその気持ちを抱えている方に寄り添う内容としてまとめました。
なぜ実家じまいは寂しいのか
実家じまいが寂しく感じられる大きな理由の一つは、家そのものが「思い出の器」になっているからです。家具や日用品、なにげなく置かれていた小物の一つひとつに、そこで過ごした時間の記憶が結びついています。片付けが進んで部屋ががらんとしていく様子を目の当たりにすると、過去の時間そのものが失われていくような感覚を覚えることがあります。
また、実家じまいは単なる片付け作業ではなく、家族の歴史に一つの区切りをつける作業でもあります。親と暮らした日々、家族で過ごした行事や日常の積み重ねが、その家という場所に紐づいているからこそ、片付けを進めるほどに「終わっていく」という実感が強くなっていくのです。これは特別なことではなく、実家じまいに向き合う多くの人が経験する、ごく自然な心の動きだと考えられます。
実家じまいという言葉そのものが指す作業の範囲や、遺品整理・生前整理との違いについては「実家じまいとは?意味と含まれる作業、遺品整理・生前整理との違い」で整理していますので、あわせて確認してみてください。
寂しさ・罪悪感は自然な感情
実家じまいの過程で寂しさや罪悪感を感じたとき、「早く気持ちを切り替えなければ」「いつまでも悲しんでいてはいけない」と、自分の感情を急いで打ち消そうとしてしまう方もいます。しかし、こうした感情は無理に抑え込む必要のあるものではありません。
長年暮らした家や、そこに残された物と向き合う作業は、これまでの時間や関係を振り返る作業でもあります。その振り返りの中で寂しさがわいてくるのは、その家や家族との時間を大切にしてきた証でもあり、むしろ自然な感情の動きだといえます。「片付けを進める自分」と「寂しさを感じる自分」は、決して矛盾するものではありません。両方の気持ちを抱えたまま、少しずつ進めていくという姿勢で十分です。
罪悪感についても同様です。「物を手放すこと」に罪悪感を覚える方は多くいますが、それは物や、その物に込められた思い出を大切に思ってきたからこそ生まれる感情です。実家じまいを進めること自体が、思い出をないがしろにすることを意味するわけではありません。まずは、その気持ちを持っている自分を否定せずに受け止めることから始めてみてください。
気持ちと折り合いをつけながら進める工夫
寂しさや罪悪感を抱えながらでも、実家じまいを無理なく進めていくためには、いくつかの工夫があります。ここでは、気持ちに配慮しながら作業を進めるための考え方の流れを紹介します。
急がない 実家じまいには、相続など期限のある手続きが関わる場合がありますが、片付けそのものの多くは、必ずしも一気に終わらせなければならないものではありません。「今日はこの棚だけ」「今回はこの部屋まで」というように範囲を区切り、気持ちが追いつくペースで進めることが、結果的に長く続けやすい方法になります。全体のスケジュールの立て方については「実家じまいのスケジュールの立て方」も参考にしてみてください。
写真に残す 物を手放すこと自体に抵抗がある場合、その物を写真に撮って記録として残しておく方法があります。実物は処分しても、写真という形で見返すことができれば、気持ちの面での区切りをつけやすくなることがあります。
形見分け・思い出の品は最後に回す 家財を分けていく作業の中でも、写真や手紙、思い出の詰まった品は、判断に時間がかかりやすいものです。こうした物は無理に早い段階で結論を出そうとせず、片付け全体の中で最後に回しておくと、心の準備が整った状態で向き合いやすくなります。家財をどう分けて進めていくかの考え方は「家財の分別の進め方」で解説しています。
仏壇は閉眼供養という区切りがある 仏壇や位牌の扱いに悩む方も多くいますが、こうしたものには閉眼供養(魂抜き)という、区切りをつけるための一般的な儀式があります。儀式という一つの節目を経ることで、気持ちの整理がつきやすくなると感じる方は少なくありません。具体的な流れや進め方は「仏壇・位牌・思い出の品の扱い方」で詳しく紹介しています。
一人で抱えない・家族と分担する 実家じまいは、一人ですべてを背負い込む必要のある作業ではありません。気持ちの負担も作業量も、家族と分担することで軽くなります。ただし、家族それぞれに実家への思い入れや考え方の違いがあるため、進め方を巡って意見がすれ違うこともあります。親がまだ健在の場合の話し合い方は「実家の片付けを親と話し合うコツ」で紹介していますので、家族間の対話にも役立ててください。
手が止まってしまったときは
実家じまいを進める中で、気持ちが追いつかず手が止まってしまうことは珍しくありません。そんなときは、「期限のある手続き」と「期限のない作業」を分けて考えることが助けになります。
相続に関する手続きなど、期限が決まっているものについては、片付け全体が止まっていても、その部分だけは優先して確認・対応しておくと安心です。一方で、荷物の仕分けや思い出の品の整理といった、明確な期限のない作業は、無理に急いで進める必要はありません。気持ちが落ち着いてから再開しても遅くはないと考えて、自分を追い詰めすぎないようにしてください。
実家じまい全体をどこから始めればよいか、進め方の全体像に戻って確認したい場合は「実家じまいは何から始める?全体像と最初の一歩」もあわせてご覧ください。
なお、寂しさや気持ちの落ち込みが長く続き、日常生活にも影響が出ているように感じる場合は、無理に一人で乗り越えようとせず、家族や信頼できる身近な人に話を聞いてもらったり、必要に応じて専門家に相談したりすることも一つの選択肢です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNS・チャットで悩みを相談できる窓口がまとめられています(出典: 厚生労働省「まもろうよ こころ」)。誰かに気持ちを話すこと自体が、区切りをつける助けになることもあります。
まとめ
実家じまいで感じる寂しさや罪悪感は、家や家族との時間を大切にしてきたからこそ生まれる、自然な感情です。その気持ちを否定したり、急いで打ち消そうとしたりする必要はありません。
- 家は思い出の器であり、片付けが進むほど寂しさを感じやすくなるのは自然なこと
- 寂しさ・罪悪感を抱えたまま片付けを進めても構わない
- 急がず、写真に残す・思い出の品は最後に回すといった工夫で気持ちに配慮しながら進められる
- 仏壇の閉眼供養のように、区切りをつけるための儀式を取り入れる方法もある
- 一人で抱え込まず、家族と分担し、つらさが続く場合は身近な人や専門家に相談する
自分の気持ちのペースを大切にしながら、少しずつ進めていくことが、実家じまいと向き合ううえで何よりも大切な姿勢です。
よくある質問
実家じまいをしていると急に涙が出たり気持ちが沈んだりします。おかしいのでしょうか?
おかしいことではありません。長年暮らした家や、そこにあった物と向き合う作業は、思い出を一つひとつ振り返る作業でもあるため、気持ちが揺れ動くのはむしろ自然な反応です。無理に感情を抑え込もうとせず、その日はそこで作業を区切るなど、自分の気持ちのペースに合わせて進めることをおすすめします。
寂しさや罪悪感があるのに片付けを進めてもいいのでしょうか?
はい、その気持ちを抱えたまま進めて問題ありません。寂しさや罪悪感があることと、実家じまいを進める必要があることは、両立して構わないものです。気持ちを否定せず、自分のペースで少しずつ進めていくという姿勢を持てれば十分です。
思い出の品はどう扱えばいいですか?全部残すことはできません
思い出の品は、片付けの中でも最も気持ちが動きやすい部分なので、作業の最後のほうに回すのが一つの工夫です。すべてを実物として残すことが難しい場合は、写真に撮って記録として残す方法もあります。形見分けや家財の分け方の考え方は、関連記事もあわせて参考にしてください。
仏壇はどうすればいいですか?処分するのに抵抗があります
仏壇や位牌には、閉眼供養(魂抜き)という区切りの儀式を行ってから次の対応を考えるという一般的な流れがあります。儀式を経ることで、気持ちの上でも一つの区切りをつけやすくなると感じる方は少なくありません。具体的な流れは関連記事で解説しています。
気持ちの整理がつかず作業が止まってしまいました。どうすればいいですか?
作業が止まってしまうこと自体は、珍しいことではありません。相続などで期限が決まっている手続きがあれば、そこだけは優先して進めつつ、期限のない片付け作業は無理に急がず、気持ちが落ち着いてから再開しても構いません。つらい状態が長く続く場合は、一人で抱え込まず、家族や身近な人、必要であれば専門家に相談することも検討してみてください。
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